アヒル不動産の業務日誌

あひる不動産の業務日誌

アラフォーサラリーマンの日常をつづります。

「家売る女」と「想いを形にする不動産屋」

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どうも、あひる不動産です。

北川景子さん主演のドラマ「家売るオンナ」見てますか?

今日は「家売るオンナ」を見つつ僕が感じる、「家を買う」という行為と、僕がなりたい不動産屋像について書いてみたいと思います。

 

 

「家売るオンナ」とは

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さて、「家売るオンナ」がどんなドラマかといいますと、北川景子さんが演じる敏腕女性営業マンこと三軒家万智が、一見めちゃくちゃな行動をとりつつも、お客さんの本心を捉えて、お客さんの要望の更に深い場所にある本当の想いをキャッチする。

最初は別のことを言っていたお客さんが、本当の自分の要望に気づかされて、思わず、この家を買わせてください!っていってしまう。そんなドラマです。決め台詞は「私に売れない家は無い!」です。

 

一介の不動産営業の私としても、三軒家さんの営業力には惚れ惚れとしております。そして、一見パワハラに近い指示の仕方や、生活のすべてを家を売るために捧げているストイックさ、人の目なんて気にしない行動力に対しては、共感するところもあり、営業マンとしていいなっとも思います。(自分にはまねできませんが。。)

 

そんな三軒家さんを一ビジネスマンとして、素晴らしいなと思う一方、僕は「家を売りたい」とは思いません。

なぜなら、家は買うものではなく家は創るものだと思っているからです。

 

「家を売る」?「家を買う」?

まず、「家を売る」という言葉の対義語を考えてみたいと思います。当然、反対から考えるとたどり着くのは、「家を買う」という言葉になります。

でも、家って他の家電製品や家具、車とかと同様、買うものなのでしょうか?

 

もちろん家だって、買えます。新築マンションだったり、建売住宅だったり、中古マンションでもリノベ済の物件があったり、出来上がった家という商品はたくさん売られていて、 だからドラマでも家が売り物と表現されるんだと思います。

 

でも家ってほかの耐久消費財とちがって、そんなにしょっちゅう、売ったり買ったりできません。不動産と言われるぐらい、流動性が低い資産なのです(一般的には)。

そして、一般的には人生で一番大きな買い物なんです。

そんな、大きな買い物である家を、ふら~っと訪れたマンションのモデルルームやオープンハウスで、

 

こんな物件二度とでてきません!

お客様の前にこの部屋を見たお客様から申し込みが入りそうなんです!

消費税が上がってしまう前に買わないとダメなんです!

 

などと言われて、焦って買っていいのでしょうか。

 

よくわからないまま、買付証明書という書類を書かされ、

なんだかわからないうちに、融資の申込書を書かされて、

あれよあれよという間に重要事項説明に売買契約。

 

そんな風に買っちゃっていいのでしょうか?

 

僕は違うと思います。

だって、人生で一番大きな買い物なのですから。

 

色んな選択肢を考慮して、自分にとって、これしかないと思えればいいと思うのですが、そうではないなら、もう少し立ち止まって考えてみるべきだと思います。

 

他人の都合に合わせて決断していてはダメなんです。

家族でよく考えて、納得して決めましょう。

 

 家を買うかどうかの判断基準

では僕が、何を大事にしてほしいかというと、

その不動産が、自分にとって割安なのかどうかだと思っています。

 

これは単純に、他の物件と比較して、その物件が安いとか高いとか、そういうことを言っているのではありません。むしろ、市場に割安な物件なんて存在しないと思った方が賢いと思います。

僕が言いたいのは、自分のライフステージや資産背景、仕事の状況、家づくりにかけられる時間をすべて考慮して、割安か割高か考えるべきだと思っております。

 

仕事が儲かっている高給取りの人が、マーケットに出ている物件全部見比べて、ないものねだりするよりは、ぱっと見て気に入った物件を買った方が、時間という一番大事なものを無駄にしなかったという意味で、割安に買えたと判断していいんだと思います。

 

また、勤めている会社によっては、住宅補助が厚かったり薄かったりしますので、そういう点も判断材料の一つになるかと思います。 

 

将来起業することやフリーランスで働きたいと思っている人にとっては、企業勤めをしているうちに、住宅ローンを借りた方が審査が通りやすいということもありますので、それも大きな判断材料だと思います。

 

そんな、その人たちの抱える個別の背景や事情を考慮して、家を買った方がいいのか買わない方がいいのか、買うなら新築がいいとか、中古がいいとか、マンションがいいとか、土地から建てた方がいいとか、建売がいいとか、そういうことを考えるべきだと思うんです。そこで初めて、その買い物が割安なのか、割高なのか、買うべきなのか買わないべきなのかの判断ができるんだと思います。

 

「家を買う」と決めた後に検討してほしいこと

さて、自分のライフスタイルや生活に照らし合わせて、家はやっぱり今持った方がいい、と判断した後に、もう一つ検討してもらいたい事があります。

それは「家を創る」ということです。

 

僕は家を創りました。設計事務所を何社かまわって、自分と相性のいい設計事務所を探して、数社に絞ったあとにはプランを描いてもらって、1社に決めました。

そこからも、ああでもない、こうでもないと言いながら、自分たちの想いを形にしてもらいました。

 

もちろん、これを面倒くさいという人もいますし、あまりにこだわりのつまったデザインは、売却時に売りづらいということもあります。

でも、あまり経済性や将来性だけにとらわれずに、家のこと、家族のこと、自分の想いを詰め込んでもいいんじゃないかって、僕は思います。

 それに、デザインにこだわりがなくたって、自分たちのライフスタイルや生活習慣、将来設計などを考慮してもらった家に住んだ方が、愛着もわきますし、住み心地が違ってきます。そこはまさに、プライスレスです。

ハウスメーカーで建てるよりも、設計事務所工務店に頼んだ方が、割安な場合も実は多いです。

 

 あひる不動産の想い

僕は自分の考えを押し付けるタイプの人間じゃないですし、相手の性格や考え、個性を尊重するタイプです。だから、その人にとって、家を買った方がいいと思うタイプの人には家を売るとは思います。

でも、選択肢のひとつとして、きちんと家を創るということも提示したうえで、家を買ってもらいたいなと思います。

 

家族のために大きな覚悟を背負うお父さんたちの想いを形にしてあげる、そんな不動産屋さんに僕はなれたらいいなって思っています。

 

以上