アヒル不動産の業務日誌

あひる不動産の業務日誌

アラフォーサラリーマンの日常をつづります。

【悲報】ファーストキャビン破産 VOL9

こんにちは!あひる不動産です。

今日は非常に残念なニュースが飛び込んで来てしまいましたね。

コロナ禍による、経営破綻です。

www.nikkei.com

終わりの始まりか?【ファーストキャビン破産】 

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高級カプセルホテルという新たな市場を作り出していたファーストキャビンが、破産を申し立てたとのことです。同日付で従業員・アルバイト400人を解雇。。 

カプセルホテルを運営するファーストキャビン(東京・千代田)と関連会社4社は24日、東京地裁に破産を申請した。負債総額は約11億円。直営や運営受託、フランチャイズチェーン(FC)などで、約25軒のホテルを展開していた。同日付で社員とアルバイトの計約400人を解雇した。

ホテルの供給増による競争激化で赤字が続いていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で事業の継続が難しくなっていた。

                     4月24日日経電子版より引用

 このニュースに関しては、非常に衝撃的でいよいよ始まったのか?という感覚です。近年のインバウンドニーズを見越したホテル開発の急先鋒のような会社でしたが、直近2期連続で赤字ということで、出店スピードに無理があったのかもしれません。

 

収益物件の売買においては、テナントからの賃料・建築費・必要な利回りから逆算して土地の取得価格を算出します。 不動産会社が有力な土地情報を仕入れた際、競合を抑えて、その土地を抑えるために一番重要なのは、如何にいい条件で賃料負担力の高いテナントと事前に握れるか、これが勝負の分かれ目になります。

 

テナント側からすると、当然無理な賃料設定をすると、後々の運営に影響が大きいため、抑え目の賃料で契約を結びたいところです。 ところが、あまり弱気の賃料ばかりを提示していると、開発する不動産会社等から声がかからなくなります。 いかに魅力的なホテルを作り運営する力があったとしても、新規に出店していくためには開発する不動産会社とよい関係を構築し、希少なエリアでの開発案件に声がかかるポジションを築きあげる必要があります。 その点において、多少無理をしてでも、厳しい賃貸条件を飲んでいかないと出店スピードがあがらない事情もあり、今回の経営破綻につながった可能性もあるかと思います。

 

ただ、マーケットを創設した老舗の会社が、真っ先に破綻してしまったのは以外で、それだけに衝撃的なニュースに思いました。

 

振り返るとリーマンショックの際も、急成長していた会社が、軒並み経営破綻に追い込まれていった事実があり、これが終わりの始まりにならないことを祈るばかりです。

 

プランテックへの影響は?【ファーストキャビン破産】

ファーストキャビン社はもともと、プランテックという設計事務所の新規事業として立ち上げられた会社です。

www.plantec-associates.co.jp

数多くの素晴らしい建築を生み出す設計事務所にとって、当該グループ会社の破綻が、親会社の経営にも影響するのでは?と心配したのですが、プランテック社からの貸付や保証債務は無いとの事で、短期的な影響は少なそうです。進行中のプロジェクトに対する影響も軽微と思われます。

 

ただし、自社が主体的に始めた事業で、現在も持分法適用会社として存在する1グループ会社が、あっさり破産申請をしたことは、長期的な視点では、少なくない影響を及ぼすものと思われます。

 

芸能人の死より身近なニュース【ファーストキャビン破産】

コロナによって、志村けんさんが亡くなり、昨日も岡江久美子さんがお亡くなりになりました。 社会に影響力の大きな芸能人が亡くなることは、大変悲しい出来事ではありますが、個人的には、自分の働く業界に近い会社が破産したことは、より大きな衝撃でした。 併せて400人もの従業員の方が突然職を失うことになるかもしれないという現実があります。

 

感染拡大防止のための外出自粛、それによって感染防止が食い止められたとして、その後に襲ってくるだろう経済破綻。どちらを優先しても厳しい現実しかない状況で、難しい政治判断が求められる局面です。 命を優先しつつも、二次災害が大きくなりすぎないよう、上手なかじ取りを期待したいところです。

 

==編集後記==

ここ数年の政府主導の観光立国化により、身近な方々も、事業として民泊運営に乗り出していました。やはり軒並み厳しい状況に陥っているということです。改めて自分で事業を運営するということの厳しさを目の当たりにしております。